「魔が去る」から猿

2012.01.07

「鬼門」という考えは、けっして過去のものではなく、今も京都の街には広く浸透していて、新しく建った住宅やビルの東北の角は斜めにカットしてあったり、或いは、柊や南天など厄除けになる樹木を植えている。ちなみに、柊はその棘を鬼が恐れるという意から、また、南天は「難を転ずる」ということからきた言い伝えである。また、猿が魔除けになるのは、「魔が去る」からとも言われ、或いは、猿は神の使い、即ち「神猿」であることから崇めていると伝わっている。

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「京都御所」の鬼門を護る猿が居る辺りを「猿ヶ辻」と呼び、その謂れを記した木札が立っていて、それによると、道行く人に悪さをする猿を網の中に閉じ込めているのだ、とある。「閉じ込めている」と「崇めている」とでは随分と意味合いが違うが、これもまた都人の巧みな言葉の使い分けである。どっちが本当か、などを追求するのは野暮の極みである。たかだが数百メートル御所の砂利道を歩くだけで、京都のあれこれがわかってくる。こんなことは机上で「京都検定」の問題を解いたとしてもけっして理解できないこと。歩いてこそわかるのが、京都という街なのだ。ただし、真夏だけはこのルートは避けていただきたい。というのも、あまりに広い道は陰ひとつなく、加えて砂利道からの照り返しも酷く、熱中症のおそれ大なのだ。夏の盛りのみならず、紫外線を避けたい向きは、砂利道の外にある森の中の小道をお奨めする。様々な樹木に覆われ、殆ど陰の中を歩くことができる。





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